【耐震対策の知識】必要壁量って何?

前回木造建築物の壁量についてお話ししましたので、今回は必要壁量についてお話ししたいと思います。必要壁量とは、建物に外力(地震力と風圧力)が加えられた際、それに対抗するのに必要な壁の量のことで、建物の大きさに対して壁係数*(表1・表2を参照)を掛けることで算出されます。

*壁係数建築基準法施行令第462号および3号により制定

 

例えば、こんな四角い2階建ての木造住宅があったとします。

 

サンプル住宅

 



 

 

 

 

 

 

 

●地震力による壁係数(表1

地震力による壁係数

 

 

 

 

 

 

 

●壁圧力による壁係数(表2

風圧力による壁係数

 

 

 

 

 

~ここから実際の計算に入ります。~

 

ステップ1:地震力による必要壁量を計算します。

●地震力による必要壁量の計算式

 各階の床面積 × 壁係数

 

今回の建物は、

1階      50×331650                      1650 cm →16.5m

2階      50×211050                      1050 cm →10.5m

※地震力は長さ5mの方向(東西方向)にも5mの方向(南北方向)にも同じ壁量が必要になります。

 

ステップ2:風圧力による必要壁量を計算します。

●風圧力による必要壁量の計算式

 各階外壁の見附面積* × 壁係数

 

見附面積…1階床から1.35m上に線を引き、それより上の部分の垂直面積を指す。

風圧力による必要壁量は、見附面積に対して算出する。

◇立体イメージ◇  

見附面積

 

A110mの面

33-1.35×1046.5

46.5×50=2325cm 23.25                                                        

B 15mの

331.35×523.25

23.25×50=1162.5cm 11.625     

 

C210mの面

31.35×1016.5                                                

16.5×50=825 cm →8.25

 

D25mの面

31.35)×=8.25                                     

8.25×50412.5 cm 4.125m

 

 

ステップ3:地震力による必要壁量と風圧力による必要壁量を比較します。

地震力と風圧力による各階・各方向(壁面)の必要壁量が算出したところで、

各々の必要壁量を比較し、壁量が多い方を必要壁量とします。

 

1階必要壁量

 

 

 

 

 

 

 

 

 

上記より、

1階の東西方向の必要壁量は、地震力により 16.5 必要になります。・・・①

1階の南北方向の必要壁量は、風圧力により 23.25 必要となります。・・・②

 

2階必要壁量

 

 

 

 

 

 

 

 

 

上記より、            

2階の南北方向の必要壁量は、地震力により 10.5m 必要となります。・・・③

2階の東西方向の必要壁量は、地震力により 10.5m 必要になります。・・・④

 

まとめ

上記で算出した必要壁量を建物全体にバランスよく配置することで、災害に強く耐震性の高い建物になるわけです。皆様はこの計算方法を見てお気付きになるでしょうか。

 

地震力と風圧力を比べて大きい方を必要壁量としているということは、

強風と地震が同時に来ることは考慮していないのです。

 

計算上の必要壁量ギリギリでは少し怖いかもしれませんね。新築でも耐震改修工事でも信頼できる会社に依頼し、きちんと話し合い極力理解した上で、工事をすることが重要です。ぜひ一度弊社にご相談ください。

 

次回は、平成12年に改正された建築基準法に準拠した「構造用金物」についてお話ししたいと思います。

 

 

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編集担当:設計室H